2020/12/07

漁港でフライフィッシングをやる場合の注意点

<注意> コロナ禍で釣りをする人が増えたことにより、トラブルが多く発生しているようです。その結果、立入禁止・釣り禁止・駐車禁止の漁港が増えています。くれぐれもマナー遵守でお願いします!

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漁港は一般的に足場がよくファミリーフィッシングのメッカでもあることから釣り人が多く、状況によっては釣座の確保に難儀することが多い。一方で、漁港はもともと漁業関係者の仕事の場であり、釣り禁止や立入禁止のエリアが多く、釣りができる場所も限られている。

そんな制約の多い漁港でのフライフィッシングについて、これからはじめようとしている人に向けて解説したい。なお、どんなフライがよいかわからない人はUNDERWATER ONLINEをどうぞ。また、勝手がわからない方へのガイドも行っているのでぜひどうぞ!

漁港では「釣り禁止」に細心の注意を払おう

まず、漁港で釣りをする上での大前提だが、釣り禁止・立入禁止には十分注意および厳守してほしい。釣り場案内の書籍やネット上で各々の漁港について解説しているものはたくさんあるが、釣り禁止や立入禁止についてはあくまでも書かれた時点での情報。また、ブログやSNSの情報は書いた人がきちんと確認をとったものなのかどうかもわからない。つまり、信憑性の低い情報が多い。

漁港についての禁止条項は変更が多く、釣り可能だった場所が釣り禁止になってしまうことが数多ある(その逆もしかり)。そのため、常に信頼できる最新の情報を入手し、心配なら役所や漁協、漁港管理を行っている組織などに問い合わせてほしい。事前に確認できればよいが、最終的には現地で確認するしかないだろう。漁港には謎のローカルルールがあるところも多く、その場でしか得られない情報がある。ただし、現地の人(特に現場で作業中の人)に直接確認する上での注意点がある。

一部を除き、漁業関係者は漁港での釣りにあまり好意的ではない(ことが多い)。

逆の立場で考えればわかるが、漁港は自分たちの仕事の場であり、釣り人は邪魔だ。場合によっては漁船や係留ロープ、漁具などを傷つけられることもあるのだろう。そのため、全域が釣りOKの漁港は意外と少なく、一部が釣り禁止になっている事が多い。また、事故があれば仕事そっちのけでその対応に追われることが予想されるので、よそ者に立ち入ってもらいたくないという気持ちもあるに違いない。

お行儀の悪い釣り人が多い場所は、敵対的対応を取られることもある。そのため、釣り禁止でない場所でも、釣りに好意的ではない漁業関係者から口頭で「釣り禁止」と言われることがある。この場合は公式に釣りがOKなのだから釣りはしてもよいのだが、気分はあまりよくないし、もしなにかトラブった場合(漁具を傷つけた、事故がおきた、など)が面倒なので、個人的にはそうした場所は避けるようにしている。

コロナの感染を防ぐ意味で閉鎖される漁港が増えたが、コロナ禍を口実として釣り禁止にしてしまう漁港もあると聞く。真偽の程はわからないが、ただでさえ少ない釣りOK漁港が減っていくことは危惧したい。

釣りOKの場所であっても、現場作業者の邪魔になるような場所での釣りは避けてほしい。漁師さんの大切な道具である網やブイなどを踏んづけたり、釣りに邪魔だからといって港の備品を勝手に動かしたりするのはNG。車の駐車場所にも十分注意してほしい。いうまでもなく駐車禁止場所はもちろん、作業車両の出入りや水揚げの邪魔になるような場所へ駐車しないよう配慮が必要だ。フライフィッシングの場合はランガンが多いので長時間駐車はほとんどないと思うが、あまり車から離れず、駐車によって他者に迷惑がかかりそうな場合はすぐ移動できるようにしたい。夜間は問題なくても、早朝から人の動きが激しくなることが多いので、その時間帯は特に要注意。

実釣に関してだが、フライフィッシングはその釣り方ゆえ、少なくとも背後に人がいてはダメ。できれば左右にも人がいないことが理想だが、サビキ釣りで混雑しているような堤防だとそれは難しいだろう。キャスティングに慣れている人であれば左右に人が詰まっていても人に当てずに釣りをすることは可能だと思うが、急な風向きの変化や横から飛んでくるルアー、釣りに慣れていない人のサビキ仕掛けが絡んでしまうことが想定される。そうしたアクシデントを避ける意味で、混雑している場合はなるべく端っこで釣るようにしたい。 

それと、人だけでなく係留ロープや漁船にも注意したい。係留ロープにフライが突き刺さるとまず外れない。ロープにティペットが絡んでロープ軸を中心にフライが回ってしまうことも多い。どうしても取れない場合だが、ロープを手前に寄せることができるのであれば可能な限り回収してほしい(ただし、ロープワークに長けていたとしても、他人の漁船の装備である係留ロープを解らんしてまで外すのはおすすめしない)。ナイトフィッシングで係留ロープ付近へキャストするのは難易度が高いので、キャスティングスキルに懸念があるのなら無理に狙わないほうが良いだろう。係留ロープに絡まった釣り針でケガをする漁師さんの話はよく聞くので、釣り禁にならないよう最大限の注意をお願いしたい。

多くの人はフライラインが後ろに飛んでくることを知らない

フライフィッシングは漁港ではとても珍しい釣り方だ。気がつくと後ろに人が立っていてこちらを見ていたりする。フライフィッシングという釣法を知らない人は後ろにラインが飛ぶとは思わないので、普段以上に後ろに気を配り、誰かが背後に立ってるようならひと声かけて注意を促したい。

昨今はコロナ禍で釣り人が増えており、堤防はサビキ釣りの人たちで連日大賑わいを呈している。感染対策はもちろんのこと、フライラインやフックなどが人に当たらないよう安全に十分配慮して楽しんでほしい。キャスティングに自信がある場合でも、可能であればバーブレスフックをおすすめする(このあたりは各々の考え方の違いなので強要はしない)。それから、言うまでもないことだし、ここで書くことも大変馬鹿らしいが、ゴミは絶対に捨てないでほしい。こうした悪質な行為が釣り禁止や立入禁止につながっていることを忘れてはならない。

そして最後に、自身の安全を。

場所にもよるが、足元はスニーカーやトレッキングシューズなどで構わないだろう。ただし、濡れている護岸やスロープ、ゴロタやテトラ(に乗ることは推奨しない)では、スパイクないしフェルトスパイクシューズを履くことをおすすめする。また、渓流以上にラインを引き出す上、障害物だらけの漁港では足元にラインは落とせないため、必然的にラインバスケットの携行が求められる。おすすめのラインバスケットはこちら

ライフジャケットは必携

それから、ライフジャケットは絶対。たとえロッドやリールを忘れても、これだけは忘れてはならない。 ライフジャケットを身に着けていれば絶対に安心安全だとは言わないが、落ちた場合の生存率は確実に高くなるはず。運悪く助からなかった場合、カラダが揚がらないと保険の申請が厄介という。待っている誰かのためにも絶対。安全装備に関してはここで詳しく紹介しているので参考にしてほしい。

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