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2024/07/01

ユーロチヌ(ユーロニンフスタイルによる落とし込み・ヘチ釣り・チヌ・クロダイ釣り)

Underwater,フライフィッシング,東京フライフィッシャーのしがない戯言
 

フライフィッシングで釣るクロダイに関しては、浜名湖をはじめとするシャローフラットでの釣りが王道かつ主流であることは誰も否めないだろう。いまでこそサイトでクロダイを釣ることが当たり前になっているが、それ以前はルアーフィッシングをマネてポッパーで狙ったり、落とし込み・ヘチ釣りをマネて重いイガイ・カニパターンをフライラインを使って当たりをとる釣りを行っていたと思う。

前者は主に関西方面で行われていたが、近年東京湾でも通用することがわかり、クロダイが多いエリアではルアーフィッシングだけでなくフライフィッシングでも行われるようになってきた。後者はどうか?ルアーフィッシングでは後述するクロダイの増加と投げ釣り禁止問題に伴い、ガンクロゲームや壁チヌといったスタイルが徐々に浸透しつつあるが、残念ながらフライフィッシングとしては以降の発展は乏しく、ほとんど誰もやっていないのが現状だろう。

「シーバスに代わる東京湾奥のターゲット(クロダイ)を、オカッパリかつ釣り方の制限がある中でフライフィッシングで釣るにはどうすれば?」という問いに対する現時点での最適解

近年、東京湾奥ではシーバスの数が減って、クロダイが激増中である。壁沿いにシーバスが着けなくなるほどクロダイが増えた。一方で、投げ釣りが禁止されてしまったエリアが増えつつあり、ルアーはもちろんフライを振ることも難しくなってきた。サイドキャストに関してギリギリ黙認でOKというところが多かったが、場所によっては明確にNGとされ、アンダーキャストかつ自分の前だけにキャストする場合のみOKになっている。もはや、ルアーフィッシングもフライフィッシングもオカッパリでは絶望的な状況と言えるのが東京湾奥だ。

夜な夜なフライでシーバスをオカッパリで楽しんでいた私は、東京湾でオカッパリができなくなってしまうと自宅から短時間で釣行可能な貴重なフィールドを失ってしまう。そこで、この状況の変化を悲しむのではなく、「どうにかして楽しむ方法はないか?」と考えた。

軽く細いタックル・ラインシステムがキモ

そんな中、昨今のユーロニンフの流行と、ガンクロゲームで使用するリアルではない擬似餌(「ルアー」ではなく、あえて「擬似餌」と書きたい)からヒントを得て、ユーロチヌというスタイルを考えた。もちろん、私が考えたというのはおこがましく、おそらく他の誰かも試みている(いた)と思うが、公な情報がないのでこのエントリで紹介したい。

他の方はご自身の考えがあると思うが、私は、

(1) 8フィート以下の短く張りのよいフライロッド
(2) ゲーム性を高めるためなるべくなら特に何かに似せたものではないフライ
(3) 昔行われていたフライラインを用いた落とし込みではないモノフィラの細いラインシステム


この三つを基本としたユーロニンフのスタイルを軸にしている。

ナイトゲームでのUV効果は絶大

(1) に関しては4−5番程度のトラウトロッド。日本の渓流向きの柔らかいものでは合わせのパワーが伝わりにくくファイトでのされてしまうので(それはそれで楽しい)、海外製のトラウトロッドやパンフィッシュ用のロッドがベスト。私はEchoのGeckoを多用している。足元から海まで護岸が張り出していたり、水面までだいぶ高さがあったり、階段状に深くなるポイントが多いエリアの場合は8.6フィート程度あってもよいが、9フィートだとさすがに長過ぎるうえ細かい操作がやり辛い(ただし、前打ち的な釣りをするならアリ)。

(2) に関してはサイト用より小さ目、たとえば伊勢尼7-8号にUVマテリアルを使用したもの。ティペットを4X程度、あるいは、グラスなど柔らかいロッドを使用する場合は、小さめあるいは細軸のフックのほうがバランスがよい。形状はなんでもよいと思うが、ナイトゲームの場合はUVの入ったマテリアルを使用するか、イレグイマーカー(ケイムラクリア)で着色すると効果大。私はUVのシェニールをぐるぐる巻きした簡素なものをメインで使用している。具体的にはこちら。落ちていくものに反応するので、カニやイガイ・ミジガイのイミテーションはもちろん、それこそ消しゴムやスポンジを削り取ったものでもよいが、ナイトゲームで使用するならUVを入れるかマーカー着色を行いたい。

夏も冬もシーズン通してブラックのUVシェニールぐるぐる巻だけで釣果は出ているが、イガイが落ち始める時期と重なるためか、盛夏を過ぎたあたりから秋口にはブラックの反応が悪い時がある。反応が悪いと感じた場合は、フジツボを意識したホワイトやフナムシ・カニを意識したブラウンやグレーのカラーをおすすめする。潮が濁っている場合はチャートリュースがよく効く。冬から春にかけて海苔のような藻が壁沿いに付着する時期は、ダークオリーブもおすすめしたい。

それから、ユーロニンフといえばタングステンビーズだが、テンションを掛けたいナイトゲームでは特に有効。ただし、沈下スピードが速すぎる嫌いがあり現場での重さの調整が難しいので、軽めのダンベルアイやチェーンボールで巻いておき、ガン玉で調整するほうが汎用的。もしタングステンビーズを使用する場合はあまり大きくないものをおすすめする。たとえば、伊勢尼8号で4mmをMaxとして、3mmだと入らないことが多いので、その場合はチヌ針もしくはユーロニンフ用やジグ単用のフックを使用する。現場で重量調整を頻繁に行う場合は、フライをノンウエイトで巻いておき、タングステンビーズを中通しにしてテキサスリグのようにして使う方法もおすすめ(この方法だとビーズの穴とフックの太さとゲイプカーブやカエシの張り出しが適合しない場合でもOK)。

UVについて少し補足したい。クロダイはUVに好反応。デイゲームやナイトゲームでも明るい場所ならよいが、真っ暗なポイントでフライを認識させるために夜間でも微量に降り注ぐ紫外線を最大限に有効活用したい。そのため、夜間はUVの入ったシェニールを多用している。

なお、ガン玉での調整の有無問わずフライ自体を重くしたい場合は、より重いダンベルアイを装着するのではなく、レッドアイやレッドワイヤー、板オモリ、ガン玉や割ビシをフックに挟み込んでプライヤーで潰すなどしてボディ内部にウエイトを持たせたい。5/32を超えるような3/16や7/32といったサイズだとどうしても出っ張りが多くなり、閉じたクロダイの口の中に引っかかりフッキングが甘くなりやすいからだ(アイの上にガン玉を打った場合はフライとの間がフリーになるので、3Bや4Bといった大きめのガン玉でもフッキングが悪くなるようなことはほぼ感じない)。フックサイズ(ゲイプ幅)が小さめだとそれが顕著だが、3/16や7/32といったサイズを使いた場合はフックサイズを上げたりロングシャンク気味のフックに変えることである程度回避できる。

(3) は落とし込み・ヘチ釣り用の道糸もしくはユーロニンフ用のサイターがベストで、太さはストラクチャーの多いところでは3号とし、万能なのは2.5号。3Xや3.5Xのティペットを多用するなら2号のほうが親和性がよい。フライラインは使用しないので、バッキングラインに直接接続でよい。もちろんユーロニンフのようにユーロニンフ用のラインを使用してもよいが、ユーロニンフのように放り投げる(前打ち)スタイルを行わない限り専用ラインとしてはほぼ意味がない。なお、カラーはお好みでよいが、ナイトゲームでは圧倒的にホワイトが見やすい。

次にリーダーシステム。サイターとティペットはスイベル(スペイ用の極小スイベルがおすすめ)を介して結ぶ。ティペットがよれて回転しやすいカニやイガイ・ミジガイパターンのようなフライは警戒されやすいためだが、ほとんど回転しないフライならティペットリングやスプリットリングでもよい。ナイロンのサイターとフロロのティペットなど、素材の異なるモノフィラ同士を直結すると抜けたり切れたりすることが多いのでノットはしっかり締め込みたい。

ティペットはナイトゲームでは2X-2.5Xで、デイゲームの場合はワンランク細くが基準。澄み潮の場合も細くする。ティペットの長さは2フィートあれば十分で、長くても3フィート。なお、水面直下で当たる場合はティペットが沈みきらずにサイターが視界に入らない。そのためナイトゲームでは1フィートにしてしまうこともある(デイゲームではサイターがクロダイの視界に入るのでNG)。

ナイトゲームの場合はケミホタル必須、ただしラインの位置と沈下スピードの確認が主な役割

そして、ナイトゲームの場合はサイター側にケミホタル(25)を装着したい。常夜灯カンカンの下ではサイターが見えるが、明暗の影になっている場所や常夜灯のない場所ではサイターがほとんど見えないので、明るい場所以外では必須と考えてよい。ただし、後述しているとおりケミホタルそのもので当たりを取ることは少なく、ラインの位置と沈下スピードの確認が主な役割。

次に釣り方。落とし込み・ヘチ釣りのようにエサ+オモリの重さでリールを逆回転させて沈めるようなことはしない。フライリールではその釣り方はマネできないし、ユーロチヌはクロダイが上ずっている夏場を中心とした釣りなので、原則としてフライロッドの長さより深い場所は狙わない(狙えない)。もうおわかりのように、ティペットにフライを結んだ状態でフライをロッドのグリップエンドまで引っ張ったときに引き出されるサイター+ティペットの長さ、つまりフライロッドの全長のラインシステムだけで釣りをする。つまり、リールを逆回転させて落とし込まない場合のヘチ釣りと同じ(潮間帯を狙うタナ釣り)。ただし、足場が高く海面まで距離がある場合は、リールからサイターを引き出して調整する。

具体的な釣り方はこうだ。

(1) 最初にラインシステムをフライロッドの長さと同じ状態まで引き出す(ナイトゲームの場合は後述するケミホタルのセッティングを行う)

(2) ポイントに対して垂直に落とす(デイゲームの場合はフリーフォールまたは軽めのテンションフォール、ナイトゲームの場合はガン玉やジンタンで重さ調整をしつつ軽めのテンションフォールで行い、水面すぐ上のサイターに視線をフォーカスしつつケミホタルまでの間を視界に入れておく)

(3) 違和感(糸がたるむ、糸が横に動く、急に引っ張られる、コツンと当たるなど)を感じたら合わせる

(4) ロッド一本分(ケミホタルを装着している場合はケミホタルが水面に着く程度まで)落とし込んだらカラ合わせ(水切り音が出ない程度に「アタリを聞く」ように軽く合わせ、重さを感じたら追い合わせ)

(4) のあと1-2歩(1m前後)前に進んでから(2)へ。あとはその繰り返し。(2)は壁際ギリギリが鉄則だが牡蠣殻やイガイが密集している場所だと引っかかりやすいのでナイトゲームなら少し離してもよい。垂直護岸だと理想は5cm以内だが、現実的には10cmほど離れてしまうことが多い。15cmまでなら許容範囲で、20cmだと怪しくなってきて、30cm離れると厳しい。強風時や波っ気のある場合は揉まれて落ちるので、多少離れていてもなんとかなる。水面付近で壁から離れていても、フライ付近は壁に寄っていたりするからだ(もちろんその逆も然り)。ゴミ溜まりの場合は壁沿いにこだわらなくてもOKで、ゴミ下に落とせば普通に食ってくる。

なお、(4)でかかることも多く、当たりを取るのが難しい釣りだとつくづく痛感するが、(3)のあたりを掴めず(4)に期待すると極端に釣果が落ちるので要注意。

このあたりは落とし込み・ヘチ釣りの情報を参考にしてほしいが、少し違うのは(2)の落とし方。ナイトゲームの場合は当たりが非常に取りづらいので、風も波もなく潮もほぼ止まっているような場合を除き、ガン玉やジンタンを追加して意図的にリグ全体をやや重くしてテンションをかけながら落とす方法だ。この方法により糸ふけや手に感じる当たりを格段に捉えやすくなる。

ケミホタルは直接見ておらず水面側(水面の上)のラインを注視している

使用するロッドの長さにもよるが、7.6-8フィート程度ならロッドティップからフライまでラインを約2mほど引き伸ばした状態からスタートする。レンジが深めの場合は2.5mほど引き伸ばすし、足場の高いポイントや潮が下がって水面まで距離が出てきた場合も同様に長めに垂らす。反対に水面直下での当たりが多い場合は手返しよく探るためため2m以下まで短くすることもある。フライリールではエサ+オモリの重さでリールを逆回転させて沈めるような釣り方ができないため、狙うレンジ・潮位・足場の高さに応じて臨機応変に長さを調整したい。なお、ケミホタルを使用する場合は一番下までフライを落としたときにケミホタルが水中に入らない程度の位置にセットしたい。水中に入ると光が拡散されるためか、警戒されやすい気がする。

ケミホタルを付けてもそれを注視することは少なく、ケミホタルと水面の間の水面側(水面の上)のラインの変化を感じる(「見る」というより「感じる」が適切)ようにしている。ラインに変化があればケミホタルにも伝わり光の揺れを感じるので、ケミホタルは視界の中になんとなく入っていれば十分である。

はじめての場所では状況がわかるまで探る間隔は一定でよい。よくあたるポイント・ここぞ!というポイントは探る間隔を狭くし、ぱっとしないポイントは間隔を広くして探る。あまり時間のない短時間釣行ではめぼしいポイントのみ探ることもある。また、明らかにうわずっている場合は水面下1メートル程度にし活性の高い魚だけを狙ってテンポよく進むことも考えよう。数百メートルある護岸のストレッチを細かく切り刻んでいくと、端から端まで2-3時間は余裕でかかってしまう。短い時合にアジャストするためにテンポよく探っていくには、横の幅(フライを落とし込む間隔)と縦の幅(フライを落とし込む水深)をうまく組み立てることがとても重要だ。

横の幅(フライを落とし込む間隔)と縦の幅(フライを落とし込む水深)をうまく組み立てる

一度探った護岸を折り返して探ることも有効で、その時に居なかった魚が入っていたり、探っていたレンジに居なかった魚が上がってきたりすることが多い。先行者が多くて前に進めない・エリアを変えても先行者が多い可能性が高い場合は積極的に行おう。なお、復路では往路と異なるレンジと間隔、別のリグ(フライやガン玉の重さを変える)で探ってみるのもおすすめ。あたりが頻発した場所は時間をおいて再度探るとやはりあたることが多い。

フライの重さについてあらためて解説する。メーカーや銘柄によって多少差はあるが、ダンベルアイ1/8でジンタン3号(約0.25g)、ダンベルアイ5/32でガン玉Bの重さ(約0.5g)の重さなので、まずはその基準でダンベルアイまたは同じ重さのチェーンボールを装着したフライを用意し、風や波、潮流など必要に応じてジンタン3号(約0.25g)〜ガン玉3B(約1.0g)程度を追加して調整する。基本は魚に違和感を与えないような微妙に糸がふける程度の重さがよく、重くするよりは軽くしたい。だだ、ナイトゲームかつ暗いポイントだとあたりを取るのが難しいので、慣れないうちはやや重めにすることをおすすめする。

私の場合、風もなく凪いでおり潮も動いていない場合はダンベルアイ1/8のフライ+ジンタン3号もしくはダンベルアイ5/32のフライにガン玉なしが多い(つまりどちらもダンベルアイ+ガン玉orジンタンで約0.5g)。風や波っ気があり潮も速い場合はダンベルアイ5/32のフライ+ガン玉B〜3Bが多い(ダンベルアイ+ガン玉で約1.0g〜1.5g)。実際にはこれにフライフックやマテリアルの重さが加わるが、リグ全体で2.0gを超えてくるようだと細かい当たりが取りにくなり、フライを喰ったときに吐き出されるのも速い気がする。ガンクロゲームやエサの場合はリグ全体がもっと重くなると思うが、フライ(ユーロチヌ)だと重いリグでは繊細な釣りができない。

それから、釣りをしている最中はタモの柄やリール、フィッシュグリップなどを柵に当てないようにしたい。ガン玉とダンベルアイを装着したフライが当たる音もとても響く。当たったときに響く「カン!」「コン!」はとてもスプークしやすいので最大限に気をつけたい。魚が見えているときに確認するとよくわかるが、人影や足音以上に警戒される。

全体を通して細かい話はいくつかあるが、大雑把に書くとこんな感じだ。

いかがだろうか。

なお、これは現時点での私の見解であり、今後経験値がさらに増えることでまた違った考えが出てくる可能性は否めない。明日は180度違うことを言っているかもしれないので、その点はご理解ご了承いただきたい。

ユーロニンフ自体が否定されることもある昨今、これをフライフィッシングと呼ぶかは各々の考え・価値観次第なので、ここで言及も議論もするつもりはない。

ユーロチヌ、これはフライフィッシングなのか?

特筆すべきは、デイゲームだけではなく、ナイトゲームでもデイゲームと遜色ない釣果を得られることだ。いや、むしろナイトゲームで楽しむものかもしれないと思うほど夜によく釣れる。真夏の灼熱の東京で真っ昼間のデイゲームは辛いものがあり、また昼間はヘチ釣り師が多くポイント争いになるのと観光客で気が散るので、ナイトゲームがおすすめだ。言うまでもなく真っ昼間でも釣れるが、人混みが嫌い、静かに釣りたい、都会の中での釣りに気が引けるなら、静寂な夜をおすすめしたい。夏は蚊の対策も忘れずに!

もともと、夜間の短時間釣行という湾奥のオカッパリシーバスと同じスタイルでクロダイを釣りたいと考えていたが、ユーロチヌはそれに見事にハマった。

ただでさえ当たりをとるのが簡単ではない夜の落とし込み・ヘチ釣りスタイルで、匂いも味もしないフライ、しかもガンクロゲームで使うルアーより小さ目で軽くアピール力のないものを使用してクロダイを釣ろうとするのだから、側からみたらエキセントリックな釣法に映るかもしれない。

いますぐユーロチヌをはじめたい方におすすめのスターターキットはこちら

サイトで使用するような6−8番ロッドだとクロダイをかけてもヒットからランディングまでずっとリールファイトになることはほぼないが、ユーロチヌで使用するロッドは柔らかく、ロッドの真下で掛けるためにラインのスラックがまったくない状態でファイトがスタートする。したがって、毎回最初から最後までほぼリールファイトになる。Geckoだと40cm程度のクロダイでもバットから曲がり、強引に止めるとティペットが簡単に切れてしまうので、毎回ヒヤヒヤする(意訳: 楽しんでいる)。

<2025/07/29追記>
最近はグラスの4番で遊んでいる。40cm1枚で腕がパンパン(笑)

以下余談。

私はサイトフィッシング中毒者なので、ガイドではないプライベートではサイトでの釣りを最優先にする人だ。渓流はドライフライ専門だし、湖も基本引っ張らずに浮きものしかやらない、南の島のフラットもサイトしかやらない。ライズやテーリングを狙ったり、魚体を直接目視して魚を釣りたい人である。とはいえ、サイトが難しい時間・条件・場所で釣りをしなければならないことだってある。

浜名湖より釣れるのは事実なので、フライで手軽にクロダイを釣りたいなら強くおすすめしたい

夜しか空いていない、遠出する時間がない、でもフライでクロダイが釣りたい、サイトが理想だがブラインドでも許す!というような人(そう私だ)にとってはユーロチヌ@ナイトゲームは救世主。時間あたりのヒット数だけで言えば浜名湖の数倍釣れる。

クロダイが急激に増えている東京湾とはいえ、実際に急増しているのは内湾と呼ばれる湾中(湾央)と湾奥。外湾と呼ばれる湾口は以前からクロダイが多いとされる三浦半島や内房に位置するが、クロダイの数は増えているものの湾奥と比較すると急増した印象はあまりない。湾口エリアの河口や干潟でも思っているほど数は見られない(目視できるようなシャローがあまりないという理由もある)。西日本と比較すると見える魚影は薄く、浜名湖や瀬戸内、九州のようなイメージでシャローでのサイトフィッシングを期待するとうまくいかないことが多い。東京湾のオカッパリでクロダイをイージーに釣りたいのなら、湾口のシャローゲームではなく、湾中(湾央)や湾奥でのユーロチヌをおすすめする。

皆様、特に東京湾奥までさほど遠くないソルトフライフィッシャーはぜひ試してみて欲しい。ポイントや釣り方など勝手がわからない方向けにガイド 「湾奥クロダイ@フライフィッシングガイド」も行っているので、お気軽に!

2022/09/20

フライフィッシングによるバチ抜けシーバス考察(東京湾奥運河筋限定のお話)

 

Underwater,フライフィッシング,東京フライフィッシャーのしがない戯言

バックスペースや飛距離、低いアピール度などルアーフィッシングと比較して制約の大きいフライフィッシングにおいて、スレっスレの東京湾港湾部かつオカッパリでシーバスを釣るのは難易度が高いといえる。ルアーで何度か釣った経験のある人が実績のあるポイントを攻めるのであればそれなりに結果が出るが、ルアーでのシーバスはもちろんソルトFFもやらずにいきなり港湾部オカッパリシーバスFFで結果を出すのは相当難しいと思う(ボートシーバスはイージーなので、まず1匹ならガイド付きのボートフィッシングをオススメ)。

バチ抜けシーズンはオカッパリでもっともイージーに魚を手にすることができる時期

港湾部でのオカッパリによるシーバスフィッシングにおいてバチ抜けシーズンはもっともイージーに魚を手にすることができる時期でもある。特にフライフィッシングで狙う場合、バチ抜けシーズンは絶対に見逃すことができない。シーバスフィッシングにおけるお祭りといえばバチ抜けなのは間違いないだろう。特に港湾部の運河筋で起こるバチ抜け水面勝負になることが多く、エキサイト極まりない。

ここではそんなバチ抜け時期のシーバスをフライフィッシングで狙う場合のヒントをお伝えする。

なお、ここで話すのは東京湾奥の小規模運河、具体的には東京湾の江東区〜品川区にかけての運河筋におけるバチ抜けフライフィッシングの話であり、河川(隅田川や荒川、江戸川や中川、小櫃川や養老川など)や干潟(盤州干潟、三番瀬など)のバチ抜けに関してはシーズンもバチの種類も釣り方も変わってくるため割愛する。

バチの生態やバチ抜け全般の話に関してはルアーフィッシング系の雑誌・ムックやネット上の記事が詳しいため、そちらを参照してほしい。2022年4月号の『つり人』の特集がまさに「バチ抜けから始める!春シーバス超入門」なのでぜひ読んでほしい。少し(だいぶ?)古くなるが、2008年発刊の別冊釣り人『バチ抜け地獄』はかなりの良書なので、古本で手に入るならオススメしたい。いずれもルアーの記事が基本で『バチ抜け地獄』に関してはイマドキのスタイルとは多少異なるが参考になる情報が満載なので、バチ抜けあるいはルアーによるシーバス経験のない方は読んだほうがよいだろう。

本題に入ろう。

ミミズやゴカイ、ナメクジやヒルなどの生き物が大嫌いな私が、キモいのを承知でバチ抜けシーバスにとち狂うのは、その高いゲーム性にある。もちろん、単純に釣りやすい時期・パターンだからという理由もあるが、一見簡単そうに見えてフライパターンやレンジ、アクション(ドリフト)が魚のお気に召さないとまず釣れないという、渓流のスレッカラシヤマメのライズゲームと全く同じシチュエーションと難易度を体験できることが最大の理由。ドライフライに出ても乗らず、ドリフトやフライパターンが決まったときはすんなりフッキングするという、まさにそれである。

渓流のライズゲームが好きな人なら絶対にハマる

渓流のライズゲームと同じといってしまうと「バチ抜けシーバスは難しんじゃないか?」と思われてしまうが、バチ抜け時期のシーバスは固まっていることが多く、パターンにハマれば連発するので、渓流魚より数は出しやすいかもしれない。筆者の経験だとフライパターンと魚の数・活性が高ければ、一晩でツ抜けすることは決して珍しいことではない。

他のシーズンだとルアー有利だが、バチ抜けに限ってはフライが断然有利。飛距離不要、水面あるいは水面直下勝負、フライはルアーと違ってスレにくいという点が大きい。バチをイミテートしやすいからという理由も間違ってはいないが、実はここにバチ抜けフライで皆がやらかしてしまうミスが潜んでいる。

引き波を出さないバチや釣り方の場合を除き、実際にイミテートするのはバチ本体ではなく「引き波」である。ボディの形状やカラーにこだわる前に、引き波をうまく演出できるようなパターンに注力すべきだろう。引き波をうまく演出できれば程度の差はあれどどんなフライでもバイトを誘う。これはフライに限ったことではなくルアーも同じ。

引き波系バチでの釣りは「引き波」の演出で結果が分かれる

逆にどんなにリアルにバチ本体を表現できたとしても、引き波に違和感があればバイトの数が激減する。

バチに対するシーバスの捕食を明るいところで観察するとよくわかるが、バチの後ろを着いてきてバイトするケースとバチの下から突然突き上げてバイトするケースに二分される。

この2パターンを考えると、リアフックを付けてボディ中程にもフックを付けたくなるが、これで効果があるのはフライを疑うことなくバイトしてくる場合と考えてよい。リアフックなしでヘッド付近のみにフックがあるパターンよりフッキング率は確かに向上するが、それでもバイトの数に対してフッキング率は低いままだろう。

事故的フッキングの改善はフック位置ではなくフライの泳ぎの違和感をなくすこと

多少動きがおかしくても(=スピードや引き波が不自然でも)コンディションがよいと何発もバイトを得られるが、そのような違和感を醸し出していると信じられないほど乗らない(トップウォータの釣りはもともと乗りが悪いがそれを差し引いても、である)。残念ながら引き波をうまく演出できなければフライを変えても何も変わらないことが多い。

この引き波はフライパターンによってでき方が変わってくるが、鋭角的な波、喩えるならクロダイのナーバスウォーターのような角が立った状態が好ましい。ボラのナーバスウォーターのように丸っこい波やハクの群れのようなチラチラした小さい波が出てしまうフライパターンだとバイト率が落ちる。

さらに難しくするのは引き波だけでなく動きだ。本物の引き波系バチの泳ぎを観察すればわかるが、種類よって多少異なるものの一定のスピードでジグザグに水面をすべるように泳ぐ。さすがにジグザグを演出するのは難しいが、フライを一定のスピードで引くことには最大限こだわりたい。ラインハンドだけでのリトリーブだとこれができない。

コツとしてはロッドを脇に挟んだ状態での両手でのハンドリトリーブ。ただ、運河に多い柵からの釣りだと足元がやりづらいので、両手でのハンドリトリーブで手前まで引いてきたら最後にロッドをスーッっと動かしてフライを引きながらピックアップしたい。リトリーブの途中で止めたり急な速度変化を与えたりするのは厳禁で、そのような泳ぎだとフッキング以前に極端にバイト率が落ちる。

合わせは魚の重みが乗ってからで問題ない。ザバっ!と水面が炸裂するとびっくりしてロッドで合わせたり手が止まったりするが、出ても乗らないことのほうが多いのでそのままリトリーブを続けることが重要。乗らなければ追い食いしてくるし、何よりリトリーブを止めると見切られてスレてしまうし、ロッドであおってしまうとラインで水面を荒らしてしまう。湖の引っ張り同様にそのままリトリーブして魚の重みを感じたらラインを引きながらロッドをあおって合わせる。

バチが広範囲に抜けているときはオープンウォーターに適当に投げても出るが、足元に明暗がはっきり出ているポイントではピックアップ寸前に水面が炸裂することも多いので最後まで気を緩めないでほしい。

潮がかなり速い場合はほっとけメソッドでアップクロス〜ダウンクロスで流すことでもバイトを得られないこともないが、流れがそんなに速くないあるいはほとんどない場合はほっとけメソッドはあまり効果がないので要注意。河川や干潟に生息するバチは遊泳力のない水中流下タイプのバチのためドリフトが効果的だが、積極的に泳ぐバチがメインの運河では単純なドリフトでの反応が鈍い。

引き波パターンにはもうひとつ重要な点がありそれはレンジだ。引き波バチには大きく分けると2種類おり、水面から頭を出して蛇のように泳ぐタイプ、あまり顔を出さずに泳ぐタイプがいる。前者は目立つので多少暗くてもすぐにわかるが、後者はある程度明るい場所でないとわからないかもしれない。この2種類が混在して抜けている場合もあるし、どちらか1種類がメインという場合もある。シビアな状況だと引き波を合わせないと反応が鈍い。大きく引き波が出るタイプ、あまり出ないタイプというように、フライパターンを準備して挑みたい。

クルクルバチパターンを制するものが運河筋のバチ抜けを制する

さて、ここまでは主に引き波を出すタイプのバチパターンについて解説してきたが、重要な話をしていない。そう、クルクルバチだ。

バチ抜けシーズン後半になると、水面下をクルクル回る小型の遊泳力のあるバチが幅を利かせてくる。引き波バチが出る前や出終わった後、小潮や長潮といったダルい潮回りでもこのクルクルバチは出現するので時合が長い。特にシーズン後半の運河筋では最重要種のバチになるのでこのパターンは必携としたい。

水面を泳ぐこともあり、その場合はごく小さな引き波を発生させているが、基本的には水面直下〜やや深めのレンジをクルクルまわりながら忙しなく泳いでいる。その予測できない泳ぎからトリッキーバチとも呼ばれる。大きさは1-4cmほどで、水中にいるときはピンク・オレンジっぽく見えるが、見慣れていないと小さなベイトフィッシュにしか見えないだろう。

このバチを捕食しているシーバスを通常の引き波系パターンで釣るのは難しい。釣れないわけではないが格段にバイト率が落ちる。ボイルはあるけど激しくない、シーズン後半、引き波系バチが抜けるタイミングの前後、あるいは、水面直下でシーバスが反転しているようならクルクルバチを捕食していると思ってほぼ間違いないが、時期的にアミの場合もあるので、渓流のライズゲーム同様に捕食物はよく観察したい。

クルクルバチパターンは小さいこともあり、ボイルしたところにダイレクトにキャストしないと気が付かれず反応しないことが多い。シーバスが群れている・あちらこちらに散っていると思われる場合は引き波パターン同様に適当に投げても食ってくるが、シーバスが固まっていると思われる場合はボイル狙い撃ちを原則としたい。

クルクルバチパターンは少し速めのショートストロークをメインに、時々ロングストロークやリトリーブスピードの強弱をつけながらリトリーブする。狙うレンジは水面直下で問題ないので、着水後すぐリトリーブしよう。引き波パターンのように一定のスピードでゆっくりリトリーブする必要はないが、リトリーブ中のポーズの時間はできるだけ短くしたいので(つまり、停止しない減速→加速のイメージが正しい)、やはり両手でリトリーブをおすすめする。ラインハンドでのリトリーブがNGというわけではないが、その場合は手が止まっている時間を作らないようにしたい。スースースーという動き、あまり止まらないベイトフィッシュのような動きを意識するとイメージしやすいかもしれない。

バイトはゴン!ドスン!ガツガツ!のように手元に伝わるので、引き波パターン同様にそのままリトリーブして魚の重みを感じたらラインを引きながらロッドをあおって合わせる。引き波パターンと比較してフッキング率はかなり高い。

このクルクルバチパターンを制する者が運河筋のバチ抜けを制すると信じて疑わない。
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リーダーやティペットは引き波パターンのときはナイロン一択、クルクルバチパターンはナイロンでもフロロでもOK

バチ抜けのときのラインシステムだが、水面勝負の引き波パターンはもちろん水面下を引っ張るクルクルバチパターンもフローティングラインで問題ない。リーダーやティペットは引き波パターンのときは沈ませない理由とショートバイトでのフッキングミスを避けるためナイロン一択、クルクルバチパターンはナイロンでもフロロでも構わない。

オフシーズン中のエントリになってしまったが、来春はぜひともバチ抜けシーバスを楽しんでほしい。なお、漁港も同様だが運河も立入禁止や釣り禁止や投釣り禁止(この場合はオーバヘッドキャストは不可なので、ペンデュラムキャストのようにループをアンダーで作るかロールキャストもしくはテクトロに限定される)が増えているので十分注意してほしい。Underwaterではバチ抜けシーバスのガイドを行っているので、勝手がわからない方はぜひどうぞ!