2023/12/18

漁港のフライフィッシングに適したフライラインとは

 

Underwater フライフィッシング

漁港での対象魚は多い。アジやカマス、メバルといった定番から、セイゴや小さいクロダイやメジナ、ムラソイやカサゴ、外道扱いされるムツやアナハゼ、場所によってはソゲやイシモチなども。ウミタナゴやハタンポといった想定外の魚も掛かる。一応その時々によって狙っている魚はいるが、多くの場合は外道でも嬉しい。対象魚が豊富なソルトウォーターフライフィッシングならではであり、それこそが漁港のフライフィッシングの醍醐味ともいえる。

魚種によってそれぞれポイントやレンジも異なるし、食性も異なる。地域によってはアベレージも違ってくる。よって、釣り方やフライの種類、サイズも千差万別だ。

このように多彩な状況に合わせて都度フライラインを選択しなければならないため、どれか一本だけに絞るのは大変難しいといえる。

したがって、ここではアジやカマス、メバルといったメジャーな魚に合わせて解説したい。それぞれ適したラインを述べるが、なぜそのラインなのかという理由、根拠を理解できれば、他の魚種への応用も苦ではないだろう。

なお、あくまでも当方が嗜んでいる#4-#5ロッドといったウルトラライトソルトウォーターのタックルかつ比較的足場の低い中小規模の漁港を前提としているので、中高番手タックルや足場の高い広々とした港湾部で楽しんでいる方には少し合わないかもしれない。この場合は、ご自身の好みやエリアによって調整を行っていただくことをおすすめする(ここで述べる基本的な考え方は、タックルやエリアが変わっても普遍である)。

まずはアジから。

一本だけに絞るならフルシンキング(フルライン)またはシューティングヘッドのType4をおすすめしたい。着水後すぐに速く引けば表層付近、カウントダウンしてゆっくり引けばボトム付近を探ることができるため、釣っている最中に頻繁に変わるレンジに合わせるには、このシンクレートが適している。

アジはフルシンキング(フルライン)またはシューティングヘッドのType4を基準にして、フォローでインタミ

もう一本追加するならインタミをおすすめしたい。シューティングヘッドでも構わないが、どちらかというとフルシンクの方が扱いやすい。表層付近でプランクトンを捕食しているときは、漂わせるようにゆっくり引けるラインが必要になる。Type4でも表層を引けるが、その場合は速めのリトリーブが必要になり、漂う感じを演出するのは少し難しい。

ただし、例外はあり、表層でマイクロベイトを捕食しているときは速めのリトリーブが有効になることがあるため、Type4でも問題ないだろう。

潮が速い場所やデイゲームなどで深いレンジまで一気に到達させたい場合にType6があれば、という程度だ。

次にカマス。

夜間やマズメ時に表層付近まで上がってくることはあるが、基本的には深い層で群を作るので、そのレンジまで一気に沈めるためにフルラインのType6一択。シューティングヘッドではなくフルラインをおすすめする。カマスは概ね深い場所にいるが沖合だけでなく意外と足元にいることも多いため、足元まで探りやすいフルシンキング(フルライン)が適している。

カマスはフルシンキング(フルライン)のType6を基準に

フルシンキングだと比重の関係からたわみながら足元で上昇してくるため、カマスのレンジを長く探れる。狙うレンジと釣り人の立ち位置の関係からどうしてもロッドの角度が急になるため、一直線に斜め上に向けて上昇してくるヘッドだと途中でレンジを外れてしまう。

また、カマスは比較的速めの連続したリトリーブが効果的だが、シンクレートが低いシンキングラインは速く引くとどうしても浮き上がりやすい。シンクレートが高いラインだと、沈む速さと横(実際にはは斜め上)に引っ張られる速さが相殺されるため、リトリーブが多少速くても浮き上がりにくい。

ただし、例外はあり、堤防足元に捨て石など根がある場合は、根掛かり回避のため手前で浮き上がりやすいシューティングヘッドをおすすめする。

最後はメバル。

メバルもレンジが変わりやすい魚であり、釣り場のシチュエーションがアジやカマス以上に多彩であり、引っ張りだけでなくサイト落とし込みも多用するので、一本だけに絞るのはなかなかむずかしい。もし一本だけに絞るならフルラインのフローティングをおすすめしたい。比較的表層で釣れる魚であり、表層のエサを意識している(自分の目線より上を常に見ている)ことが多いためだ。ヤマメがドライフライで釣れやすい理由と似ているかもしれない。

メバルはフルフローティング(フルライン)を基準にして、フォローでType2

釣っている最中に群れの活性が上がってうわずってくることも多いが、レンジが少し低いと感じた場合でもフローティングラインのままウエイトが入ったフライを使用したり、その際にリーダー・ティペットを長めに取ることで概ね解決できる。

もう一本追加するならフルシンキング(フルライン)またはヘッドでType2だろう。少し深いポイントやシーズン初期でレンジが低めのときの引っ張りに重宝する。Type2を使用したとしても漁港ではせいぜいカウントは5から10程度で、アジやカマスのようにボトム付近まで沈めることはまずない。引っ張りよりもサイト落とし込みを多用する場合も、リーダーシステム全長より深い場所へ落とし込む時を想定してType2がよい(フローティングだと沈下にブレーキが掛かるため)。

ここまでの情報をもとに自分自身のスタイルに合わせて調整すれば、アジ・カマス・メバル以外の魚への応用はできると思う。

え?魚種問わずどうしてもフライラインを一本に絞りたい?

魚種問わず一本だけに絞るならフルシンキング(フルライン)またはシューティングヘッドのType3かType4

その場合はフルシンキング(フルライン)またはシューティングヘッドのType3かType4だろう。これから漁港のフライフィッシングをはじめる場合のまず一本としてもおすすめできる。

UNDERWATER ONLINEでは漁港用のフライラインを取り扱っているので、これから漁港のフライフィッシングを始めようとしている方はぜひどうぞ!

漁港FF用シューティングライン一式(ヘッド+ランニング)
漁港FF用シューティングヘッド

おすすめのラインバスケットはこちら

ひとりでは不安な方、勝手がわからない方はUnderwaterのフライフィッシングガイド・フライフィッシングスクールへ! 

0 件のコメント:

コメントを投稿