2020/11/20

アジをフライで釣るコツ

Underwater,フライフィッシング,東京フライフィッシャーのしがない戯言

アジもカマスやメバルと同じ漁港の人気のターゲットだ。食卓に並ぶ魚の筆頭でもあり、サビキ釣りでの人気も高い。

アジのフライフィッシングではカマスで使うロッドよりより短く軽い番手がおすすめ

アジをフライで釣るためのタックルシステムはここで紹介したもので構わないが、カマスと同じである程度重いラインを投げることが多いため、専門に狙うなら9フィート#5あたりが妥当。ただし、どちらかというとカマスより小規模ポイントを攻めることが数多あるため、メバルと同じく7フィート半〜8フィート程度の#4ロッドが万能かもしれない。カマスと違って小さい当たりも多く、あまりヘビーなタックルだと掛けづらいという理由もある。

サーフェスでベイトやプランクトンを捕食しているときはフローティングもしくはインタミでよいが、カマスと同じくレンジが低いことが多いので、タイプ4かタイプ6を常用することが多い。昼間は特にレンジが低いので、浅いポイントでない限りタイプ6一択になるだろう。潮が速い場合もタイプ6がよい。シューティングヘッドでもフルシンキングでも構わないが、頻繁に変わる棚に合わせるため、シューティングシステムにしたほうが手返しよく釣ることができる。

キャストはカマスと同じく、沖に投げてカウントダウン。潮通しの良い場所にしかいないイメージがあるが、港内に群れが入っていれば係留してある船の間や奥まったスロープでも釣りになる。堤防でアジが入れ食っているときはサビキの人も多いハズで、まっすぐにしか投げられないことが多い。彼らの間に割って入って投げることはなるべく避け、少し離れたところで釣りたい。それは単に危険というだけではなく、コマセに狂ったアジはピンポイントにかたまってしまうことが多く、そうなってしまうと思うほどフライに反応しないからだ。もちろん、コマセが漂う場所に直接フライを投げるわけにもいかない。コマセに執着していないアジは周辺にいるので、それを狙ったほうが確実だろう。

リトリーブを止めたときにフォールするフライがよく効く

リトリーブはショートストローク、ロングストロークを組み合わせて、反応するアクションを探してほしい。高活性のときはリトリーブ中にひったくるように当たるが、多くはリトリーブを止めてフライがフォールしたときに当たる。そのため、フライにはウェイトを入れて、止めたときに沈むようにしたほうが好反応を得られる。ただし、見切られ防止のため、間(フォールの時間)はあまり取らないほうがよい。また、ソフトルアーと異なり咥えたとしてもすぐに吐き出すことが多く、たるみができやすいフライフィッシングだと手元に当たりが来ないこともしばしば。バイトを感じたら向こう合わせを期待せず、積極的にハリに掛けにいったほうが数が出る。

ちなみに本気でフォールの釣りをしようとするとアジングで使うような1g前後以上の重さのフライが必要になり、ライン番手を重くせざるを得なく、使うロッドが硬くなる。そうなると繊細なリトリーブ&フォールもできないし、あたりも取りづらくなり、魚がかかっても面白くない。硬いロッドは口切れも多発する。こうした理由からヘビータックルでの釣りはおすすめできない(尺アジが連発するようなシチュエーションなら楽しいかもしれないが)。

フライフィッシングは同じレンジを長く引けるのがメリットであるため、重いフライで無理に上下動の大きいフォールを演出するより、軽いラインで一定層を泳がせながら細かい上下の動きを演出したほうがよいだろう。

フライを丸呑みすることが多いが、ツンツンとジャレつくように当たることも多い。このようなあたりが多い場合は向こう合わせでのハリ掛かりも期待して、ファインワイヤでショートシャンクワイドゲイプのフックに巻いたやや小さめのフライがオススメ。ロッドをあおらずリトリーブは止めずにやや速く引いて誘おう。なお、速く引くと丸呑みされ、遅く引くと口先にかかることが多い。カマスも同じ傾向がある。

フライに関しては透過性のない白っぽいものとクリアそしてキラキラ(とはいえ、あまりギラギラしているものはよくない気がする)しているものを使い分けたい。つまり、シルエットがはっきり出るものと曖昧なもの、時折キラッと光るものだ。高活性のときは差をあまり感じないが、状況がよくないときにはバイトの数に明らかに変化が出る。シラスやプランクトン、アミを捕食している場合は透過性のあるクリア系マテリアルで巻いたフライがよく効く。いずれも、フロントヘビーになるようにウェイトを入れた、細長いシルエットのものが使いやすい。シラスパターン蓄光パターンサスペンドパターンなど、アジ用のフライはUNDERWATER ONLINEで!

豆アジサイズになると大きいフライだとじゃれつくだけでなかなかフッキングしないので、#14フック以下で全長1インチ以下の細くて小さいフライが有効。それと、常夜灯下でプランクトンやアミを捕食しているアジに対しては#16-#20程度のスカッドが抜群に効くので、ぜひとも巻いておきたい。この場合、ティペットは7Xフロロ。このスカッドパターンは、同じような条件下のメバルにも効果絶大。

なお、常夜灯下でライズしているアジに関しては、特筆すべき注意点がある。

アジはフライラインの影を極端に嫌う

アジは想像以上にフライラインの影を警戒するので、見えているアジの群れあるいはライズしている場所ど真ん中になるべくフライラインが通らないように、一投一投慎重に投げてほしい。だが、それでも影響は避けられず、次第に群れのレンジが下がっていき、やがてライズは終わるだろう。他の魚種にはあまり感じないが、アジに関してはプレッシャーですぐにレンジが下がってしまうことが多い(余談だが、メバルの場合は活性が上がってアジとは逆に浮いてくることもある)。群れが去らない&捕食物がある限り、時間が経てばまたライズしはじめるので諦めないでほしい。そこは渓流のライズフィッシングと同じ。

影響をできるだけ避けるためには、フローティングラインではなくインタミをおすすめする。フローティングラインは目立つカラーが多く、また、浮いている分どうしても水面に曳き波が出やすい。インタミならダークカラーが多く曳き波も立たないので、多少は影響を減らせるだろう。より慎重になるのであれば、外気温とラインの設定メモリ温度(ウォーム/コールド)のバランスに注意しつつ、フラットや湖で使うようなクリアなラインが有効。

アジの口は弱く、上顎にかかっていない限り強引にやり取りすると口切れを起こすので注意。20cmを超えてくるとかなり引くので、慎重にやり取りしたい。

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