連発するときはワンキャストワンヒットも珍しくなく、食べて美味しいカマス。秋冬の楽しいターゲットだ。
カマスのフライフィッシングはタイプ6のシンキングラインがベスト
特に何を狙うわけでもないような漁港の五目釣りの最中にカマスを狙う場合は、ここで解説したタックルシステムで問題ない。ただし、カマスだけを集中して狙いたいのであれば、9フィートの#5〜6があたり妥当だろう。港湾内外に限らずカマスは堤防から開けた場所に投げることが多く、またフルシンキングのタイプ6というロッドに負荷のかかるライン(理由は別の機会に解説したい)を常用することが多いこと、それと、同じレンジを長く引きたいので遠投できるタックルのほうが有利というのがその理由。
夏場のピンカマスや夜間から早朝にかけてうわずっている場合にインタミを使うことはあるが、カマスのレンジはおおむね低いので、手返しよく探るためにもタイプ6がよい。シューティングヘッドでもフルシンキングでもよいのだが、思っているより足元にいることも多いので、専門に狙うのであれば、リトリーブ最後に浮き上がりにくく手前を探りやすいようフルシンキングをおすすめする(堤防によっては手前に捨て石が沈んでいる場所もあるので、そうした場所ではヘッドにするか9フィート程度の長めのロッドのほうが根がかりを回避しやすい)。ただし、慣れないと真っ暗闇でシンクレートの高いフルシンキングのラインは使いづらいかもしれない。その理由は別の機会に解説する。
手前を探れるフルシンキングがおすすめ
群れが寄っているときは真っ昼間でも釣れるし、夜間は浅めのレンジでベイトを追いかけ回しているときもあるが、連発する当たりはマズメ時に集中する。経験上、デイゲームとナイトゲームではデイゲームのほうが釣りやすい印象があるが、数を釣りたいのであればデイでナイトとでもなくマズメ一択(ただし、マズメ以外のときに爆釣することもあり謎が多い)。朝マズメの場合は日が昇るにつれ浅めのレンジから深いレンジへ探り、夕マズメの場合はその逆になる。
基本的には沖に向かってまっすぐ投げ、カウントダウンして探っていく。人の少ない場所であれば、扇状に投げながら群れを探るのがよいだろう。ストラクチャーに着く魚ではないので、護岸際を平行にリトリーブするようなことは不要。
アジだとコマセ+サビキには負けてしまうが、カマスに関しては餌釣りやルアーよりフライのほうが明らかに釣れるので、漁港のフライフィッシングで爆釣を経験したいのならカマスは大変オススメできる。アジと異なりコマセにあまり群がらないので、その点もフライで釣りやすい理由だろう。なお、夏場のピンカマスはトップウォーターで爆釣することがあるので、機会を見て紹介したい。
カマスにはロングストロークが効く
リトリーブはロングストロークがよい。食わせの間も特に必要ないと感じる。アジやメバルは横の動きと縦の動きをうまく組み合わせてアピールさせるが、カマスは横一直線のほうが反応がよいことが多い。
フライはなんでもよいが、キラキラしているものだと尚可。できれば、アイ付近にチェーンボールを装着したものやウェイトを巻いたような上下に動きやすいものより、横方向に姿勢が安定しやすい巻き方や一般的なストリーマー的なものをおすすめする。カマスの鋭い歯からティペットを守るため、ロングシャンクのフックに巻くか、マテリアルをシャンク後半に巻き止め、サイズも小さすぎないほうがよい。カマス用のフライはUNDERWATER ONLINEで!
ティペットは太めで
ティペットは太めにしたいが、あまり太すぎるとフライの姿勢が安定しない。細すぎると切られるので下限は1-2Xあたりが無難で、フリーノットが条件になるが心配なら02X程度までは太くしてもよいと思う(シューティングシステムだと根掛りしたときにフライを回収できずにヘッドを失うこともあるので要注意。この場合はクラスティペットとして弱いセクションを入れたい)。一匹釣ったら必ずティペットをチェックしよう。少しでも傷が入っていたら即交換したい。太めのティペットでも一発で食いちぎられることもあるので、油断してはならない。
引きは決して強くはないが、釣れ盛ることが多く、また、そのようなときはエサやルアーより断然フライのほうが釣れるので、普段難しい釣りをしている人にとっては癒やしの釣りでもある。30-35cmくらいの食べて美味しいサイズが揃うので、キャッチアンドイートを目的とした釣行もアリだろう。なお、暴れるカマスからフックを外す際にカマスの鋭い歯があたって指を怪我するので、フィッシュグリップとフォーセップは必携。
余談だが、ここ数年東京湾奥までカマスが入ってくることが多く、私自身シーバスを狙っているときの外道で45cmほどのぶっといカマスを釣っている。
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