2020/11/18

メバルをフライで釣るコツ

Underwater,フライフィッシング,東京フライフィッシャーのしがない戯言

メバルのフライフィッシングに関してはある程度認知されているので、巷には釣り方に関しての情報は多い。特に、一般的な引っ張りの釣りに関しては、ここでいまさら語るまでもないだろう。 

メバルは短距離走者

ひとつ言えるとすれば、メバルはフライを長い距離追うような魚ではないということ。フライの後ろを付かず離れずで1-2メートルほどついてくることはもちろんあるが、距離は長くない。

フラットのクロダイのように、長い距離を執拗に追いかけてくることはあまり無い。タフコンディションでない限りメバルはフライを見つけるとすっ飛んできて一気に食いつくが、自分のポジションからはあまり離れない。エサを見つけて遠くから泳いで食べにいくのではなく、エサが目の前に近づいてきたタイミングで襲いかかる。いわゆるカサゴやムラソイといった根魚系バイトが多く、典型的なスプリンタータイプの捕食行動である。そのため、デイゲームの場合は、ストラクチャーあるいはメバルのすぐそばをフライが通過するようにしないと反応しないことが多い。ナイトゲームの場合であっても、あまり離れたところを引いても反応しない。壁際含むストラクチャーを狙う場合、デイゲームならストラクチャーから横10cm以内、ナイトゲームでも横20-30cm以内を目安に攻めたい。

もちろん、これは絶対ではなく例外もある。

たとえば、ナイトゲームにおけるシャローエリアの常夜灯下。その場合は魚が散っているのでオープンウォーターにブラインドで適当に投げても食ってくる。ただし、シャローというのがキーで、水深があるポイントはたとえベイトやプランクトンが湧いていたとしてもオープンウォーターかつサーフェスには魚が着いていないことが多い。その点は、ベイトさえいれば水深のある沖のオープンウォーターでも食ってくるシーバスとは異なる。ライズしているときも同様で、ライズリング付近に適当に投げて漂わせたり軽く引いてくれば、どこからともなく食いあげてくる。

リトリーブに関しては、使用するラインやフライの特性、魚の活性、ポイントの状態、潮の速さ、明るさ(デイゲーム、常夜灯まわり、完全な闇)などで変わってくるが、速めよりは遅めを基準としたい。

ラインの選択として重要な点をひとつ挙げる。メバルは自分が居るレンジより下のエサに対してはあまり見ておらず、自分と同じレンジかそれより上を見ていることが多い(その点はヤマメに似ている)。そのため、引っ張りの場合はメバルが居る(と思われる)レンジよりやや上を引けるシンクレートにするのが理想。たとえば、タイプ2で引けるレンジに魚が居る(と思われる)のであれば、(タイプ2がダメなわけではないが、)インタミ/タイプ1でよい。水面でライズしている場合はフローティングでOK。

メバルをサイトフィッシングで釣るためには

引っ張りの釣りに関しての注意点はこんなところだが、デイゲームあるいはナイトゲームにおける常夜灯下での落とし込みのサイトフィッシングについて語りたい。落とし込みの場合もメバルの目の前にフライを持っていく基本は変わらない。

注意点は二つ。

まず一つ目、しっかりウェイトの入ったフライを使うこと。クロダイの落とし込みは沈下スピードが重要で、遅すぎても速すぎてもダメなためにフライの重さに細心の注意を払う必要があるが、メバルに関しては軽すぎるよりは重すぎるくらいのフライでちょうどよい。そもそも使うフライが小さい分、自分が思っているより沈んでいかない。

二つ目、フローティングやインタミなどではなく、シンクレートの高めのシンキングラインを使うこと。落とし込みなのでシンクレートは無関係に思えるが、リーダーシステム(詳しくはこちらを参照)の全長より深い場所まで落とすこともあり、フライラインがフローティングだったりシンクレートが低いものだと影響が大きい。フライ→ティペット部→バット部と、順々にすーっと落とし込み、バット部が終わりフライラインに差し掛かったときに、沈まないあるいは沈みが遅いラインだと沈下スピードにブレーキが掛かってしまう。これはクロダイの落とし込み釣りで不穏な沈下で魚がスプークしてしまうのと同じ。フライが不自然な動きをするために見切られやすいということもあるが、なにより思ったとおりに沈まないと釣り人側にストレスが溜まる。

いずれも小さなことだが、手返しよく釣るためには手間を惜しみたくない部分である。実際にはここまで神経質にならなくても釣れてしまうのがメバルのよいところでもあるが、「釣れた」ではなく「釣った」は重要なので、ここは妥協したくない。

落とし込みはフライフィッシングっぽくないので嫌がる人も多いと思うが、デイゲームのサイトフィッシングではかかせないテクニックだし、昼夜問わず、引っ張りの釣りとうまく使い分けるとどんなポイントでも釣りが可能になる。メバルに関しては引っ張りだけでは釣りにならないと思ったほうがよい。常夜灯に照らされたすぐ足元の明暗部キワ、特に一番明るい部分の護岸側(暗い側)壁際の中層〜底層に良型が潜んでいることが多いので、ぜひとも、そーっと落とし込んでみてほしい。留守でなければ手元にゴゴン!っとあたりがくるはずだ。

最後にひとつ。

引っ張りにしろ落とし込みにしろサイトで釣っているとよくわかるのだが、活性の低いときはテイルをつまんでモゴモゴするだけで食い込まない甘噛バイトも多い。こうした捕食をする個体は粘ってもなかなかフッキングに至らないことが多いので、別の魚を探したほうが勝負が早い。

おすすめのラインバスケットはこちら。 

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